愛知学長懇話会 「SDGs プロジェクト」
2020年度活動報告
(1)事業名 愛知学長懇話会「SDGs・プロジェクト(SDGs企画委員会事務局運営)」(2020年度)
(2)実施期間 2020年7月10日~2021年3月31日
(3)実施体制
企画・運営 愛知学長懇話会SDGs企画委員会(事務局 中部大学)
責任者 学校法人中部大学 中部大学学長 石原修
実務担当責任者 中部大学中部高等学術研究所事務局 黒岩美由紀
(4)活動目標
愛知県の大学学長懇話会として、地域の各種ステークホルダーとの連携を図りながら大学および大学生がSDGsの達成に貢献できる活動の企
画・運営および情報発信を行う。SDGs企画委員会活動は、当面2025年までの5年間実施し、その後必要に応じて見直しを行う。。
(5)活動の背景
持続可能性(サステナビリティ)に関わる国際的大型プロジェクト「持続可能な開発目標(SDGs)」(2016~2030年)への教育界から
の貢献。
愛知県内では、愛知県および名古屋市、豊田市、豊橋市をはじめとする市町村が自治体レベルでSDGsの推進を開始(SDGs未来都市、他 )。
環境・社会・経済に関わる諸課題解決に向けた包括的な取り組みとしてのSDGsは、愛知県内の大学が連携して推進し得るテーマ。
愛知学長懇話会は、持続可能な社会づくりに関する諸活動の実績をふまえ、2019年度からSDGs推進を目的とした愛知学長懇話会SDGs企
画委員会を発足。
あいちサイエンス・コミュニケーション・ネットワークを中心とする既存のSDGs関連活動(団体)と連携して、学生および教員の参加に よるSDGs活動を企画・実施。
SDGs企画委員会には、参加希望大学から担当教員が委員として参加。
(6)活動報告
①愛知県内の大学におけるSDGs情報の収集・発信
愛知学長懇話会SDGs企画委員会活動および愛知県内の大学におけるSDGsに関する情報収集と発信を行うホームページを開設した。
http://www.aichi-gakuchou-sdgs.org/
②大学生の参加によるSDGsリレーシンポジウム開催
SDGsをテーマとした大学生参加型研究・活動発表会として、SDGsリレーシンポジウムを年間2回開催する。開催にあたっては、あいちサイ
エンス・コミュニケーション・ネットワークとの連携により「あいちサイエンス・フェスティバル」の場と広報媒体の活用や、地方自治体の
SDGsイベントとの連携を検討・企画した。
2020年12月13日「かがやけ☆あいちサスティナ研究所成果発表会2020【愛知学長懇話会SDGsリレーシンポジウム(第9回)】」の開催
内容:大学生40名がパートナー企業10社から提示された環境課題に対して解決策を検討し発表。
日時:2020年12月13日(日曜日)午後1時30分から午後5時まで
主催:愛知県、共催:愛知学長懇話会(SDGs企画委員会)
会場:愛知学院大学 名城公園キャンパス キャッスルホール「明倫」(名古屋市北区名城3-1-1)
2021年2月5日(金)「愛知学長懇話会SDGsリレーシンポジウム(第10回)」の開催
内容:愛知県内の大学生によるSDGsに関連する研究および活動の発表。会場での対面とオンラインの併用開催とすることで、県外の大学と
の交流も図る。
日時: 10:00-12:00
主催:愛知学長懇話会(SDGs企画委員会)、共催:愛知県
開催担当大学:中部大学(第10回リレーシンポジウム)
会場:(SDGs愛知EXPO2020内)オンライン
内容:愛知県内の大学生によるSDGsの研究・活動発表
③あいちサイエンストークへの講師派遣(あいちサイエンスフェスティバルとの連携)
あいちサイエンスフェスティバル2020は、2020年9月26日(土)~11月3日(祝)を会期として開催しました。コロナ禍のため、オンライ
ン中心の開催となり、恒例のASFサイエンストーク(12件)も、Zoomウェビナーで開催しました。一部のサイエンストークは、ゲストの了
解を得て、あいちサイエンスフェスティバルYouTubeチャンネルに動画を公開しています。以下に、愛知学長懇話会SDGs企画委員会に協力
いただいた3件のサイエンストークについて、報告します。
■ 日時 :2020年10月12日(月)19:00~20:00
タイトル:「宇宙船地球号と大陸間水・気候変動教育の創出 ~フランス・ブルキナファソ・日本から世界へ~」
ゲスト :宇土泰寛(椙山女学園大学 名誉教授)
報告文 :持続可能な地球社会を目指し、子どもの主体的な学びを促す宇宙船地球号プログラムとその成果が紹介されました。子どもたちの
笑顔がキラキラ輝く数々の写真が印象的で、文化を超えた交流の大切さを改めて知りました。
参加人数:40
動画公開:https://youtu.be/jaws5t6ONlY
画像(画面キャプチャ):
■ 日時 :2020年10月21日(水)19:00~20:00
タイトル:「ESD(持続可能な開発のための教育)とは~SDGs達成に向けた教育」
ゲスト :曽我幸代(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 准教授)
報告文 :SDGs達成のために必要な教育のあり方について考えました。持続不可能な状況を、持続可能な状況へと変えるためには、学校教
育、社会教育、生活の中での実践も含めたESDが必要であると感じました。
参加人数:38
画像(画面キャプチャ):
■ 日時 :2020年10月23日(金)19:00~20:00
タイトル:「人に行動を促すには?~道案内のインターフェースデザイン~」
ゲスト :冨安由紀子(名古屋学芸大学 メディア造形学部 教授)
報告文 :カーナビのデザインを事例に、空間把握や運転特性などの個人の特性に合わせたインターフェースデザインについて考えました。 わかりすい地図や道案内の仕方などについて参加者が意見を出しあい、チャットも盛り上がりました。
参加人数:56
動画公開:https://youtu.be/z-ozhY75Aeg
④「SDGs Aichi EXPO 2020」への出展
2021年2月5日~6日に中部国際空港横の「AICHI SKY EXPO」で開催予定の「SDGs Aichi EXPO 2020」に、愛知学長懇話会としてブース 出展し、加盟大学のSDGs活動をポスター展示する予定だったが、コロナ禍の緊急事態宣言が愛知県にも発出されたため、すべてオンライン での開催に変更となった。募集に応じた下記大学のポスターがオンライン特設サイトに展示された。
⑤SDGs企画委員会の開催:
「令和2年度第1回SDGs企画委員会」の開催:2020年11月20日オンライン開催
愛知学長懇話会 「SDGs プロジェクト」
2019年度活動報告
(1)事業名 愛知学長懇話会「SDGs プロジェクト」(2019年度)
(2)実施期間 2019年4月1日~2020年3月31日
(3)活動報告
①愛知県内の大学におけるSDGs情報の収集・発信
愛知学長懇話会では、愛知県内の大学を対象に、各大学のSDGs研究・活動情報を収集し、ウェブサイトに公開しています。収集した情報
を行政機関、企業、市民団体等に提供し、愛知県および東海地域のSDGsの発展に貢献します。
②大学生の参加によるSDGsリレーシンポジウムの開催
第7回 SDGsリレーシンポジウム
日時:2019年11月17日(日)13:00-17:00
会場:南山大学R棟4階R49教室
基調講演:都市における持続可能性と暮らしとウェルビーイング
講演者:平松宏城 氏(株式会社ヴォンエルフ 代表取締役/ Green Building Japan 共同代表理事)
第7回 SDGsリレーシンポジウム
かがやけ☆あいちサスティナ研究所 成果発表会 2019
日時:2019年12月15日(日)13:00-17:00
会場:愛知学院大学 名城公園キャンパス キャッスルホール「明倫」
研究成果発表会:10チームの研究成果プレゼンテーション
・研究所所長 大村秀明 愛知県知事
・研究員 大学生40名(公募により21大学から参加)
・パートナー企業10社の代表者等
㈱伊藤園、花王㈱、積水ハウス㈱、東京海上日動火災保険㈱、東レ㈱、凸版印刷㈱、トヨタ車体㈱、中日本高速道路㈱、
三井不動産商業マネジメント㈱ららぽーと名古屋みなとアクルス、㈱メニコン
・大学生の研究活動をサポートするファシリテーター10名
・一般参加者 230名
③あいちサイエンストークの開催(あいちサイエンスフェスティバルとの連携)
愛知学長懇話会SDGs企画委員会は、あいちサイエンスフェスティバルのサイエンストークに講師派遣をおこない、SDGsをテーマとしたサイエンストークを下記の通り開催しました。
■ 日時 :2019年10月7日(月)
タイトル:ASF2019サイエンストーク「避難の科学~津波からかしこく逃げる~」
ゲスト :清水 宣明(愛知県立大学看護学部 教授)
報告文 :津波から逃げるには、最後は垂直避難をして、絶対に地上で津波を受けてはいけないと、東日本大震災の被害検証を元に説明されま
した。身近な問題を具体的に考える良い機会となり、会場からたくさんの質問が出されました。
■ 日時 :2019年10月8日(火)
タイトル:ASF2019サイエンストーク「宇宙船地球号の新たな操縦法を考える「地球未来社会設計学」」
ゲスト :井上 徳之(中部大学超伝導・持続可能エネルギー研究センター 教授)
報告文 :中部大学で実験が進められている、超伝導による直流送電開発についてお話いただきました。日本列島を縦断する送電幹線の建設に
よって再生可能エネルギー普及が進むなど、将来のエネルギー計画が、夢を持って語られました。
■ 日時 :2019年10月8日(火)
タイトル:ASF2019サイエンストーク「地域に喜ばれる風力発電とは」
ゲスト :本巣 芽美(名古屋経済大学経済学部・准教授)
報告文 :地元の反対運動が起こることが多い風力発電について、問題点や批判を整理し、地域に喜ばれている事例も紹介しました。質疑応答
を通じて、業者だけでなく行政にも課題があることを確認しました。
愛知学長懇話会 「サステナビリティ・プロジェクト」
2018年度活動報告
愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会では、下記(4)の活動目標と活動計画に沿って、 2018年度の「サステナビリティ・プロジェクト」活動(5)を実施した。
(1)事業名 愛知学長懇話会「サステナビリティ・プロジェクト」(2018年度)
(2)実施期間 2018年4月1日~2019年3月31日
(3)実施体制
企画・運営 愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会
責任者 愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会委員長 竹内恒夫(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
(4)活動目標と活動計画
2018年度に下表の 5 つの目標(ユネスコ・ESDグローバルアクションプログラム[GAP]優先5分野)を掲げ、 「愛知学長懇話会サス
テナビリティ・プロジェクト」と称して、6 種類(①~⑥)の活動を展開する。
政策的支援 | 機関包括型アプローチ | 教育者 | ユース | 地域コミュニケーション | |
目標 | ・愛知県及び県内市町村の各種政策の「SD」評価 ・SD政策立案者の育成 |
・ 愛知県内の大学が包括的にサステナビリティに関する理解を深める | ・愛知県における教員教育への持続可能性およびESDの視点・能力の強化 | ・愛知県内の大学生による持続可能性を高める研究・活動の強化と共有 ・持続可能性を高めるための政策提言・立案をできるユースの育成 |
・地域課題の解決に向けて地域資源を活かした企画・立案ができる大学生の育成 ・中部ESD拠点との連携による、マルチステークホルダーの参加型プロジェクトの企画・実施ができる大学生の育成 |
活動案 | ①持続可能な開発目標(SDGs)を用いたキャンパス内の持続可能性評価活動(主担当:名古屋市立大学曽我委員) ②SDポリシーメーカーの育成(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点「中部サステナ政策塾」と連携) |
③愛知県内50大学の連携によるサステナビリティ・リレーシンポジウムの開催 (主担当:名古屋学芸大学岸本委員)年間2回の開催 | ③サステナビリティ・リレーシンポジウム内での教員指導によるスキル発展 | ④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討 (主担当:名古屋大学竹内委員長) ③サステナビリティ・リレーシンポジウム内での持続可能性を高める 研究・活動成果の発表 ②SDポリシーメーカーの育成 |
④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討 ⑤流域思考によるESD活動の実施・協力(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点と連携) ⑥多様な主体によるSD活動の情報交流 (主担当:中部大学古澤委員) |
(5)活動実績
① SDポリシーメーカーの育成(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点「中部サステナ政策塾」と連携)
サステナビリティ企画委員会は、持続可能な社会づくりに寄与する政策を学ぶための活動「中部サステナ政策塾」(中部ESD拠点協議会主
催)に対する協力を行った。
中部サステナ政策塾では、10回の講座を通して、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の17目標を各回で取り上げて、広義のポリシーメ
ーカーの育成をおこなった。本年度の講座テーマは、生態系保全、地域エネルギー、働きがい、地方自治、まちづくりであった。
サステナビリティ企画委員会は、塾生募集や広報の協力を行った。その結果、3大学から大学生・大学院生が塾生として参加した。20歳
代30歳代限定の塾生30名の構成は、大学生・大学院生、地方議員、県庁・市役所職員、NPO職員等の多様な社会的背景を持つメンバーであ
り、講座での学び以外にも、相互交流を通して、人的ネットワークの構築が行われた。とりわけ、大学生にとって貴重な学びの場となった。
②持続可能な開発目標(SDGs)を用いたキャンパス内の持続可能性評価活動(主担当:名古屋市立大学曽我委員)
本活動では、名古屋市立大学のキャンパスでの持続可能な開発目標(SDGs)および持続可能な開発の認知度を高めるために、昨年度実施したパネル展示に加え、国際デーをもとに発案したESDカレンダーを作成した。参考としたのは、大阪府箕面市にある箕面市多文化交流センターCommon
caféである。外国にルーツをもつ人々、主に女性で家庭にいる人、母親などが見習い期間を経たのち、シェフとして登録し、カフェで提供する飲食のメニュー(日替わり担当)を考え、給仕等の運営にも係わっている。毎月、誰がどのメニューを出しているのかをカレンダーで示している。調査実施日は2019年2月23日(土)である。カレンダーの掲示により、施設利用者の認知度の向上を図ることができる。ESDにおいてもカレンダーを活用して、SDGsやSDに関連する内容や情報を知らせることができると考えられる。
③愛知県内の大学連携によるサステナビリティ・リレーシンポジウムの開催 (主担当:名古屋学芸大学岸本委員)
国連は、「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げ、2016年から2030年までにその達成に向けたグローバル・ローカルの両側面における活動を推進・推奨している。愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会では、SDGsの趣旨に賛同して、愛知県を中心とした地域社会および地球規模の持続可能性向上への貢献を目的として、大学生主体の連続シンポジウム「サステナビリティ・リレーシンポジウム」を開催している。
リレーシンポジウムでは、「持続可能な開発目標」の17のテーマを取扱い、それらに関連する研究や活動を大学生自らが発表し、研究者や市民など、さまざまな立場の来場者と共に地域や地球の持続可能性について議論する。研究や活動は、愛知学長懇話会会員大学の大学生が発表を行うが、大学生以外の主体(中高校生・企業・行政・市民やNPOなど)との連携活動、文化・芸術的な活動、他地域における研究、なども受入れ、持続可能な社会づくりのための「つながり」を学ぶ。
大学生が主体的に関わるこれら一連の事業を通して、愛知県下における大学の横断的な交流と、持続可能な社会づくりをめざす若者の連携のための機運醸成、さらには、そのための人づくり(持続可能な開発のための教育:ESD)の機会とする。
平成30年度は、第4~6回の3シンポジウムを実施した。第4回は、愛知県との共催により、「かがやけ☆あいちサスティナ研究所 成果発表会2018」を実施した。本シンポジウムでは、企業と大学生の協働によるサステナブル社会の構築についての学びを深めた。第5回は、名古屋工業大学において、30年後の水をテーマに、を深めるためのワークショップを実施した。第6回は、名古屋市立大学において、平和と貧困をテーマに諸大学の学生がプレゼンテーションを行った。詳細は以下のとおりである。
■ 第4回シンポジウム
テーマ「かがやけ☆あいちサスティナ研究所 成果発表会2018」
開催日時: 2018年 12月2日(日) 13:00~17:00
開催場所: 名古屋市立大学 桜山キャンパスさくら講堂
内容:未来の地域の担い手となる大学生が、企業・団体から提示された環境課題に対して、現場での調査やディスカッションを通して解決策を検討した。本シンポジウムでは、その成果発表を行い、企業活動のサステナビリティに関して学生の視点から多種多様な提言を行った。
主催 愛知県 共催 愛知学長懇話会
第5回シンポジウム
テーマ「30年後の水と社会を考えよう」
開催日時: 2018年12月15日(土) 13:00~17:00
開催場所: 名古屋工業大学 講堂2階ラーニングコモンズ
内容: 2050年頃の我が国や国際社会における「水」はどうあるべきか。そのためにこれからの10年間、どう行動すべきか。その問いに対する答えを求めて、諸大学の学生グループが研究や活動の成果を発表し、意見交換を行った。
主催 愛知学長懇話会 共催 名古屋工業大学、愛知県
第6回シンポジウム
テーマ「私たちがつくる持続可能な都市・名古屋 ~SDGs「平和」×「貧困」への挑戦~」
開催日時: 2018年12月22日(土) 13:00~17:30
開催場所: 名古屋市立大学 滝子キャンパス1号館2階
内容: 不確実な社会に生きる若者が「貧困」と「平和」に関する現代社会の課題に切り込み、課題解決策を模索した。活動発表では、当該テーマに関する大学生および高校生の事例発表が行われた。また、ワークショップでは、大学生と高校生がともに議論し、独自の発想で刷新的なアプローチを報告した。
主催 愛知学長懇話会 共催 名古屋市立大学、愛知県
④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討 (主担当:名古屋大学竹内委員長)
愛知学長懇話会が実施したメンバー大学における持続可能な開発関連の科目の調査結果にもとづき、愛知学長懇話会としての高等教育におけるSDGsプログラム(案)の編成を検討した。特に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の複数のゴールやターゲットに関連するものに着目した。
⑤流域思考によるESD活動の実施・協力(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点と連携)
地域の持続可能性を考える地域単位として河川の流域圏をもちいたESDの推進手法について、サステナビリティ企画委員の担当委員間で検討を行った。
2014年に愛知県名古屋市で開催された「ESDに関するユネスコ世界会議」において、愛知学長懇話会は、大学生ESDリレー・シンポジウムを開催した。また、中部ESD拠点は、本会議において、流域圏(生命地域)ESDモデルを発表した。こうした経緯をふまえて、当部会では、次年度のサステナビリティ・リレーシンポジウムにおいて、流域圏を単位としたサステナブル社会の構築をテーマとしたシンポジウムを開催することをめざして、企画検討を行った。その結果、第5回サステナビリティ・リレーシンポジウムにおいて、流域をテーマに加えて発表の募集をおこない、当該テーマにおける大学生の発表が実現した。
⑥多様な主体によるSD活動の情報交流 (主担当:中部大学古澤委員)
サステナビリティ企画委員会では、SD(持続可能な発展)に関する活動情報を広く発信するために、「愛知学長懇話会サステナビリティ・プロジェクト」のウェブサイトの構築・維持を行った。
(6)成果
愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会では、平成30年度、ユネスコのESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP:2014年~2019年)が掲げる目標および国連持続可能な開発目標(SDGs)に関連するテーマに沿って、サステナビリティに関する各種人材育成プログラムを展開した。これらは、①SDポリシーメーカーの育成、②持続可能な開発目標(SDGs)を用いたキャンパス内の持続可能性評価活動、③愛知県内の大学連携によるサステナビリティ・リレーシンポジウムの開催、④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討、⑤流域思考によるESD活動の実施・協力、⑥多様な主体によるSD活動の情報交流であった。上記活動を通して、大学生がサステナビリティ(持続可能性)について学び、多様な分野におけるグローバル・ローカルな諸課題の解決策を思考する機会を提供できたことが本活動の成果である。
なお、愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会活動は、当初2019年度末までの実施を計画していたが、昨今の社会におけるSDGs推進の重要性と緊急性を鑑みて、次年度以降には愛知学長懇話会におけるSDGs推進に特化した活動展開を期待し、平成30年度末をもって委員会の発展的解消をおこなう。
これまでに愛知学長懇話会サステナビリティ・プロジェクト(共催・協力活動含む)に参加した教員および学生の所属大学(愛知学長懇話会参加大学)は、以下のとおりである。
■愛知大学 ■愛知学院大学 ■愛知教育大学 ■愛知県立大学 ■愛知工業大学 ■愛知淑徳大学 ■金城学院大学 ■椙山女学園大学 ■星城大学 ■大同大学 ■中部大学 ■東海学園大学 ■名古屋大学 ■名古屋学院大学 ■名古屋学芸大学 ■名古屋工業大学 ■名古屋市立大学 ■名古屋商科大学 ■南山大学 ■日本福祉大学 ■名城大学 (21大学)
愛知学長懇話会 「サステナビリティ・プロジェクト」
2017年度活動報告
愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会では、下記(4)の活動目標と活動計画に沿って、 2017年度の「サステナビリティ・プロジェクト」活動(5)を実施した。
(1)事業名 愛知学長懇話会「サステナビリティ・プロジェクト」(2017年度)
(2)実施期間 2017年4月1日~2018年3月31日
(3)実施体制
企画・運営 愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会
責任者 愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会委員長 竹内恒夫(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
事務担当責任者 愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会事務局(中部大学国際ESDセンター内)
藤井昭彦(中部大学学務部長)
(4)活動目標と活動計画
平成29年度に下表の 5 つの目標(ユネスコ・ESDグローバルアクションプログラム[GAP]優先5分野)を掲げ、 「愛知学長懇話会サス
テナビリティ・プロジェクト」と称して、6 種類(①~⑥)の活動を展開する。
政策的支援 | 機関包括型アプローチ | 教育者 | ユース | 地域コミュニケーション | |
目標 | ・愛知県及び県内市町村の各種政策の「SD」評価 ・SD政策立案者の育成 |
・ 愛知県内の大学が包括的にサステナビリティに関する理解を深める | ・愛知県における教員教育への持続可能性およびESDの視点・能力の強化 | ・愛知県内の大学生による持続可能性を高める研究・活動の強化と共有 ・持続可能性を高めるための政策提言・立案をできるユースの育成 |
・地域課題の解決に向けて地域資源を活かした企画・立案ができる大学生の育成 ・中部ESD拠点との連携による、マルチステークホルダーの参加型プロジェクトの企画・実施ができる大学生の育成 |
活動案 | ①持続可能な開発目標(SDGs)を用いたキャンパス内の持続可能性評価活動(主担当:名古屋市立大学曽我委員) ②SDポリシーメーカーの育成(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点「中部サステナ政策塾」と連携) |
③愛知県内49大学の連携によるサステナビリティ・リレーシンポジウムの開催 (主担当:名古屋学芸大学岸本委員)年間2回の開催 | ③サステナビリティ・リレーシンポジウム内での教員指導によるスキル発展 | ④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討 (主担当:名古屋大学竹内委員長) ③サステナビリティ・リレーシンポジウム内での持続可能性を高める 研究・活動成果の発表 ②SDポリシーメーカーの育成 |
④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討 ⑤流域思考によるESD活動の実施・協力(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点と連携) ⑥多様な主体によるSD活動の情報交流 (主担当:中部大学古澤委員) |
(5)活動実績
① SDポリシーメーカーの育成(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点「中部サステナ政策塾」と連携)
サステナビリティ企画委員会は、持続可能な社会づくりに寄与する政策を学ぶための活動「中部サステナ政策塾」(中部ESD拠点協議会主催)に 対する協力を行った。
中部サステナ政策塾では、10回の講座を通して、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の17目標を各回で取り上げて、講義のポリシーメーカー
の育成をおこなった。本年度の講座テーマは、健康福祉、流域活動、地方自治、まちづくり、エネルギー等であった。
サステナビリティ企画委員会は、塾生募集や広報の協力を行った。その結果、5大学から学生・大学院生が塾生として参加した。20歳代30歳代 限定の塾生27名の構成は、大学・大学院生、地方議員、県庁・市役所職員、NPO職員等の多様な社会的背景を持つメンバーであり、講座での学び
以外にも、相互交流を通して、人的ネットワークの構築が行われた。
②持続可能な開発目標(SDGs)を用いたキャンパス内の持続可能性評価活動(主担当:名古屋市立大学曽我委員)
本活動では、前年度に名古屋市立大学のキャンパスにおいて持続可能な開発目標(SDGs)の17項目に関する評価を試験的に実施した。本年度は、
建築物に関わる調査を大学生と実施した。
キャンパス内の持続可能性を評価するときに、自然と融合して一体となる有機的な建築物であるかどうかという視点を一つに持っていることが重要 である。有機的な建築物の事例としてフランク・ロイド・ライト(1867-1959)による博物館明治村内帝国ホテル(愛知県
犬山市)が挙げられる。どのような特徴があるのかについて、 2018 年3月 17 日(土)に調査した。
復元された帝国ホテル正面玄関からわかるのは、自然の一部であるという自然観に基づき、人が住まう、いるということへのストレスを最小限にお さえたデザインになっているということである。こうした考え方をもってキャンパスを含めた場をデザインすることが求められる。また評価するとき
に 必要な視点であることが確認できた。
③愛知県内の大学連携によるサステナビリティ・リレーシンポジウムの開催 (主担当:名古屋学芸大学岸本委員)
国連は、「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げ、2016年から2030年までにその達成に向けたグローバル・ローカルな取り組みを推進し ている。愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会では、その趣旨に賛同して、愛知県を中心とした地域社会および地球規模の持続可能性向上へ
の 貢献を目的として、大学生主体の連続シンポジウム「サステ ナビリティ・リレーシンポジウム」を開催している。
リレーシンポジウムでは、「持続可能な開発目標」の17のテーマを取扱い、それらに関連する研究や活動を大学生自らが発表し、研究者や市民な ど、さまざまな立場の来場者と共に地域や地球の持続可能性について議論する。研究や活動は、愛知学長懇話会会員大学の大学生が発表を行うが、
大学生以外の主体(中高校生・企業・行政・市民やNPOなど)との連携活動、文化・芸術的な活動、他地域における研究、なども受入れ、 持続可能 な
社会づくりのための「つながり」を学ぶ。
大学生が主体的に関わるこれら一連の事業を通して、愛知県下における大学の横断的な交流と、持続可能な 社会づくりをめざす若者の連携のため の
機運醸成、さらには、そのための人づくり(持続可能な開発のための教育:ESD)の機会とする。
2017年度は、3回のシンポジウムを実施した。第1回は、愛知県との共催により、「かがやけ☆あいちサスティナ研究所 成果発表会2017」をサス
テ ナビリティ・リレーシンポジウムとして位置づけ、企業と大学生の協働によるサステ ナブル社会の構築についての学びを深めた。第2回は、名古 屋
市立大学において、 大学生と高校生のコラボレーションによるサステナブル社会構築に向けた活動発表および参加者の連携を深めるためのワーク ショップを実施した。第3回は、名古屋学芸大学において、健康と福祉をテーマに諸大学の学生がプレゼンテーションを行った。詳細は以下のとお
りである。
■第1回シンポジウム
(かがやけ☆あいちサスティナ研究所「成果発表会2017」として開催)
開催日時: 2017年12月3日(日)13:00~17:20
開催場所: 愛知淑徳大学 星が丘キャンパス講堂
内 容: 未来の地域の担い手となる大学生が、企業・団体から提示された環境課題に対して、現場での調査やディスカッションを通して解決策を検討。本会では、
成果発表を行った。
■ 第2回シンポジウム
開催日時: 2017年12月23日(土)13:00~17:30
開催場所: 名古屋市立大学 桜山キャンパス さくら講堂
内 容: ESD(持続可能な開発のための教育)とまちづくりをテーマに、「持続可能な都市・名古屋への高校生・大学生からの提案」と題してシンポジウムを開催
した。
■ 第3回シンポジウム
開催日時: 2018年3月10日(土)13:00~17:00
開催場所: 名古屋学芸大学
内 容: 国連「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げる17目標のひとつである「健康・福祉」をテーマとして、地域課題の解決をめざす、大学生の研究や活動
が 発表された。 また、優秀なプレゼンテーションが表彰された。
④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討 (主担当:名古屋大学竹内委員長)
愛知学長懇話会メンバー大学の大学院における授業科目の中で持続可能な開発関連の科目の洗い出しの作業を進めた。特に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の
ゴールやターゲットに関連するものに着目した。引き続き、精査し、これらを組み合わせ、愛知学長懇話会としての高等教育におけるESDプログラム(案)の編成を検討することとしている。
⑤流域思考によるESD活動の実施・協力(主担当:中部大学古澤委員※中部ESD拠点と連携)
地域の持続可能性を考える地域単位として河川の流域圏をもちいた ESDの推進手法について、サステナビリティ企画委員の担当委員間で検討を行った。
2014年に愛知県名古屋市で開催された「 ESDに関するユネスコ世界会議」において、愛知学長懇話会は、大学生 ESDリレー・シンポジウムを開催した。また、中部
ESD拠点は、本会議において、流域圏(生命地域) ESDモデルを発表した。こうした経緯をふまえて、当部会では、次年度のサステナビリティ・リレーシンポジウムにおいて、流域圏を単位としたサステナブル社会の構築をテーマとしたシンポジウムを開催することをめざして、企画検討を行った。
⑥多様な主体によるSD活動の情報交流 (主担当:中部大学古澤委員)
サステナビリティ企画委員会では、 SD(持続可能な発展)に関する活動情報を広く発信するために、「愛知学長懇話会サステナビリティ・プロジェクト」のウェブサイトを構築・維持を行った。
(6)成果
愛知学長懇話会サステナビリティ企画委員会では、平成29年度、ユネスコの ESDに関するグローバル・アクション・プログラム( GAP: 2014年~
2019年)が掲げる目標に沿って、大学の枠を超えてた協働による各種人材育成プログラムを展開した。これらは、 ①SDポリシーメーカーの育成、 ②持続可能な開発目標(
SDGs)を用いたキャンパス内の持続可能性評価活動、 ③愛知県内の大学連携によるサステナビリティ・リレーシンポジウムの開催、 ④愛知学長懇話会の単位互換制度によるサステナビリティ履修コースの検討、
⑤流域思考による ESD活動の実施・協力、 ⑥多様な主体によるSD活動の情報交流であった。上記活動を通して、大学生がサステナビリティ(持続可能性)について学び、多様な分野におけるグローバル・ローカルな諸課題の解決策を思考する機会を得たことが本活動の成果である。
平成 29 年度の愛知学長懇話会サステナビリティ・プロジェクト(共催・協力活動含む)に参加した教員および学生の所属大学(愛知学長懇話会参加大学)は、以下のとおりである。
■愛知大学 ■愛知学院大学 ■愛知教育大学 ■愛知県立大学 ■愛知工業大学 ■愛知淑徳大学 ■金城学院大学 ■椙山女学園大学 ■星城大学 ■大同大学 ■中部大学 ■東海学園大学
■名古屋大学 ■名古屋学院大学 ■名古屋学芸大学 ■名古屋工業大学 ■名古屋市立大学 ■名古屋商科大学 ■南山大学 ■日本福祉大学 ■名城大学 (
21 大学)
以上